2025年社長年頭挨拶
2025/01/07
平素は格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。 年頭に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、鉄鋼市場における需給緩和の進行に加え、自動車生産が不振を続けたことにより当社の主要取引先である鉄鋼業や電子・電池部品産業の活動水準は厳しい状況となりました。また、合金鉄製品市況が低迷した中で、豪州の高品位マンガン鉱石の主要鉱山が春先のサイクロン被害により生産・出荷不能となったことで原料市況が大きく乱高下しました。このように厳しい外部環境の下、各種施策を積極的に推進した結果、在庫影響や一過性要因を除いた実力ベースの連結経常利益は、前年と同水準の約50億円を達成できる見込みとなっております。
第9次中期経営計画の2年目となる本年は、鋼材の需給緩和継続による合金鉄製品市況の低迷や電気自動車の普及の停滞や後退など、第9次中期経営計画の策定時に想定していた事業環境とは大きく異なることが予想されます。こうした環境変化の中、「2030年あるべき姿」に向け各施策に取り組んでまいります。
合金鉄事業
コスト競争力に磨きをかけるとともに、過剰傾向にある在庫の圧縮を具体化させることで、一層強靭な事業体質の確立に努めてまいります。海外合金鉄事業においては、パートナーとの連携を一層密接にとることで、安定生産を前提としつつ過大となっている原料・半製品などの在庫規模の適正化を図り競争力の改善に努めてまいります。
機能材料事業
電気自動車の普及減速による電子・電池部品産業での需要変化に対応すべく、他の成長分野への拡販を含め、生産能力のポテンシャルを活かす検討を鋭意進めてまいります。また、製品化の可能性がある研究テーマについて、早期市場投入に向け戦略的に取り組んでまいります。
焼却灰資源化事業
焼却灰資源化ニーズが拡大方向にある中、営業の強化による焼却灰収集量の拡大を図り、焼却灰溶融炉増強のための準備を進めてまいります。
アクアソリューション事業
自動車部品・印刷などの既存市場が低迷・縮小していく中で、新しい事業領域を開拓するためにも、既存のパートナーとの連携を強化するとともに、新たな協業先の発掘を積極的に進めてまいります。
電力事業
災害リスクの低減を図るとともに、長期保全計画に基づいた設備維持による安定した発電を継続してまいります。
各事業における諸施策の実施に加え、効果的IRや採用力強化、従業員エンゲージメントの改善など、企業価値向上に向けた諸施策を積極的に推進してまいります。 また、GX・DXなどのサステナビリティ関連施策も引き続き積極的に進めてまいります。
本年は、当社の源流である合資会社大垣電気冶金工業所の創業から100年となる記念の年となります。創業100周年を迎える本年、ステークホルダーの皆様からの信用と信頼を高めご期待に応えるためにも、「2030年あるべき姿」に向け確実な前進を遂げるべく、当社グループ一丸となって全力を傾注してまいる所存ですので、引き続きご理解とご協力、ならびにご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
皆様のご健勝とご多幸を心から祈念し、年頭のご挨拶といたします。