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環境

環境

環境基本方針

当社グループは、環境基本方針の下、法令遵守はもちろん、環境リスクへの確実な対応により地域の環境保全を図り、持続可能な社会の発展に貢献する活動を進めています。

  • 環境経営を基盤に据え、持続可能な社会の発展に貢献する
  • 環境マネジメントシステムを構築し、その継続的な改善を図ると共に、環境に対する教育と意識向上に努める
  • 製造活動のあらゆる面における環境負荷の低減に努める
  • 社会における環境負荷の低減に貢献する製品の開発と提供を推進する
  • 社会に貢献する環境事業を積極的に推進する
目標
環境事故発生件数 0件

環境リスクマネジメント

当社グループは、ISO14001のマネジメントシステムの活用により、環境リスクへの確実な対応と共に環境保全活動を推進しています。大気、水、土、廃棄物処理などについては、取扱物質や設備などに応じた環境影響評価を行い、環境負荷低減のために必要かつ確実な対策を講じています。

環境教育

従業員に対する定期的な環境管理に関する教育や実地訓練など、事故の未然防止に向けた教育、訓練の充実を図っています。これらの取り組みにより環境事故発生件数ゼロを目指しています。

カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み

当社グループは、地球規模での気候変動が人類の存続に影響を与える大きな課題であるとの認識のもと、「持続可能な地球環境の維持と脱炭素の実現に向けた2050年カーボンニュートラルへの挑戦」をサステナビリティ経営の重要課題ととらえ推進しています。
2022年に2050年のカーボンニュートラル実現に向けたロードマップを策定し、CO2排出量の削減を目指して事業・研究開発に取り組んでいます。

CO2排出量削減シナリオ

当社グループは、これまでも積極的な省エネ活動やエネルギーの高効率化などCO2排出量の削減に取り組んでまいりました。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2030年には2015年対比45%以上削減するという目標も掲げ、取り組んでいます。

  • ■ 2030年ターゲット

    2015年対比45%以上削減

    再生可能エネルギー活用による自家発電導入や省エネルギー対策、エネルギー効率向上取り組みの効果により2015年対比45%以上の削減を目指す

  • ■ 2050年ビジョン

    カーボンニュートラル達成

    脱炭素製造プロセスの開発実用化に挑戦すると共にカーボンオフセットの弾力的な活用を含めて、カーボンニュートラル達成を目指す

当社グループCO2排出量(Scope1, 2)

CO2排出量削減の取り組み

カーボンニュートラルの実現に向けたロードマップ

カーボンニュートラルの実現に向けたロードマップ

CO2排出量削減の取り組み

当社グループ主力製品のひとつである合金鉄(フェロマンガン)は自然界に存在するマンガン鉱石から酸素を除去する還元反応により製造されています。この還元反応には石炭コークスの使用が最適ですが、この反応によりCO2が不可避的に発生します。当社グループでは、電力やガスといったエネルギーの高効率化やグリーンエネルギーへの転換を進めるとともに、合金鉄の製造過程で発生するCO2排出量を削減する革新的な製造プロセスの開発実用化にもチャレンジしています。

CO2排出量削減の取り組み

取り組み

革新的な高炭素フェロマンガン還元技術の研究

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」のインキュベーション研究開発フェーズに「フェロマンガン製造プロセスに関する脱炭素・省エネの技術開発」を提案し、2024年6月に採択されました。本件は2023年の同プログラムにおけるフィジビリティスタディ調査フェーズで得られた成果をベースに提案したものです。
合金鉄製造の還元反応過程におけるCO2排出量の削減と省エネルギーに繋がる革新的な製造プロセスの実用化に向けて技術開発を推進します。

再生可能な木質コークスの活用

再生可能な木質コークスの活用

マンガン鉱石の還元の際に石炭コークスを使用することでCO2が発生します。そこで石炭コークスに代わる還元材として再生可能な木質コークスを活用することによる、石炭コークス起源のCO2排出量の削減を目指して取り組んでいます。
2030年までに石炭コークスの約15%を木質コークスに置き換える計画で、現在は複数の産地の木質コークスの品質・コスト両面からの評価と、社外研究機関との連携も含めたラボレベルの基礎研究、徳島工場の実機電気炉でのトライアルといった木質コークスの活用に向けた技術開発を推進しています。

省エネ対策の推進

当社グループはエネルギー原単位の改善に努めており、資源エネルギー庁が省エネルギー法に基づいて実施している事業者クラス分け評価制度において、2024年まで5年連続最高位のS(優良事業者)クラスを継続しています。Sクラスは努力目標とされる「5年間平均原単位を1%以上低減すること」を達成している事業者が認定されるものです。引き続き、現行の製造プロセスにおける設備の更新・改造などによる省エネ対策を推進し、年1%以上の省エネを継続していきます。

GX(グリーントランスフォーメーション)リーグへの参画

GX(グリーントランスフォーメーション)

経済産業省が提唱する「GXリーグ基本構想」に賛同し、2023年から「GXリーグ」に参画しています。GXリーグとは、2050年のカーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXへの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長の実現を目指す企業が、同様の取り組みを行う企業群や官・学と共に協働する場のことです。GXリーグに参画することで、CO2排出量削減に関する知見・ノウハウを蓄積し、当社グループのサステナビリティ経営の取り組みに活かしています。

TCFDに基づく気候変動関連の情報開示

当社グループは、地球規模での気候変動が人類の存続に影響を与える大きな課題であるとの認識のもと、「持続可能な地球環境の維持と脱炭素の実現に向けた2050年カーボンニュートラルへの挑戦」をサステナビリティ経営の重要課題と認識しています。この取り組みの一環として、2022年2月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、TCFDフレームワークに沿って気候変動に関する重要情報を以下の通り開示します。

ガバナンス

当社グループは、2022年1月に気候変動対応をはじめとしたサステナビリティへの取り組みの推進、中長期的な企業価値の一層の向上を目指すために取締役会直下の組織としてサステナビリティ委員会を設置しました。本委員会は四半期に一度開催され、代表取締役社長が委員長を務めています。サステナビリティ委員会は、全社的な対応策を検討し、取り組み(KPIとしてのGHG排出量の削減など)をモニタリングしています。
また、当委員会で議論された内容は、委員長から取締役会へ半年に1回以上の頻度で報告され、取締役会は委員会で検討したサステナビリティや気候変動に関する課題についてサステナビリティ委員会に提言を行います。

気候変動対応に関する体制図

気候変動対応に関する体制図

戦略

分析のプロセス

当社グループは、サステナビリティ経営を実現するために気候変動が事業に与える影響をリスクと機会に基づいて分析し、適切な対応を企業経営に反映させることが重要であると考えており、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討しました。
具体的には、1.5℃~2℃シナリオと、4℃シナリオの二つの気候変動シナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施しました。

分析のプロセス

気候変動シナリオについて

1.5℃~2℃シナリオ(脱炭素シナリオ)

気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5~2℃未満に抑えることを目指したシナリオ。1.5℃シナリオでは、移行リスクの中でも政策・法規制リスクの影響が2℃シナリオに比べて大きくなると想定されています。

4℃シナリオ(高排出シナリオ)

気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されています。

リスク・機会のインパクト評価と対応策の選定

2℃未満シナリオにおいては規制の強化による再生可能エネルギーへの転換および低炭素素材への切り替えのための費用増加、4℃シナリオでは自然災害の激甚化による費用の増加リスクが予想されます。

リスク 分類 要因 リスク内容 時間軸 影響度 対応策
移行
リスク
政策・
法規制
GHG排出量規制、炭素税の導入など 化石燃料をはじめとする製造コストの増加による収益性悪化 中期
  • 再生可能エネルギーの利用
  • 非化石証書の購入
  • 省エネ推進
再生可能エネルギー比率上昇
(電源構成の変化)
電力会社による再生可能エネルギー導入比率上昇施策に伴 う電力価格上昇 中期
  • 省エネ推進
市場 マンガン鉱石の調達コスト上昇 採掘や輸送の脱炭素化に伴う調達コスト増加 中期
  • 製品販売価格への転嫁
  • 輸送時における低炭素化の検討
還元剤の調達コスト上昇 低炭素還元剤(木質コークスなど)の 調達に伴うコスト増加 中期
  • 調達コスト削減のための調達先の検討
物理
リスク
急性 自然災害の激甚化(洪水・高潮) 工場の浸水などに伴う事業活動停止による収益悪化 長期
  • 短中期:排水設備の増設
  • 長期:工場設備の防災強化
自然災害の激甚化(台風) 台風被害に伴う事業活動停止による収益悪化 長期
機会 分類 要因 機会内容 時間軸 影響度 対応策
機会 製品
および
サービス
低CO2排出製品の
選好
グリーン合金鉄の需要増加(持分法適用会社であるパータマフェロアロイズ社は、100%水力発電を利用した合金鉄(グリーン合金鉄)を製造) 中期
  • 安定操業の継続
水素社会の進展 水素製造に使われる純水製造装置の需要増加 中長期
  • 研究開発の強化
市場 電動車の普及 電動車の普及に伴う、電池および電子部品需要増加(電池材料・酸化ほう素・酸化ジルコニウム・フェロボロンなど) 中期
  • 安定操業の継続
  • 研究開発の強化
  • 使用シナリオ:【移行リスク】 IEA WEO2023 NZE2050 【物理リスク】 ・IPCC RCP8.5 ・IPCC AR6 SSP5-8.5 
  • 時間軸 短期:1年以内、中期:~2030年、長期:~2050年
  • 影響度 大:税金等調整前純利益10億円以上、中:税金等調整前純利益1~10億円未満、小:税金等調整前純利益1億円未満

リスク管理

気候関連リスクを識別・評価するプロセス

当社グループでは、気候変動に伴うリスクをTCFDタスクフォースが特定したのち、サステナビリティ委員会へ報告します。サステナビリティ委員会は、年に1回の頻度でリスクについて審議します。特に重要と判断されたリスクに関しては年に1回取締役会へ報告する体制となっています。

気候関連リスクを管理するプロセス

特定された気候変動リスクについては、サステナビリティ委員会がモニタリングし対応策を審議します。また、対応策を検討した上で、関係各部へ展開・対応を行い、リスクの軽減に努めます。

全社のリスク管理への統合プロセス

各部およびグループ会社から抽出された気候関連以外の全社的なリスクを一括で管理するために内部統制委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は内部統制委員会へ移行リスク・物理リスクおよび対応策について報告し、内部統制委員会は取締役会へ報告を行います。

リスク管理

指標と目標

当社グループは、CO2排出量を2030年に2015年対比45%以上削減する目標を掲げています。今後も、再生可能エネルギー活用による自家発電導入や省エネルギー対策、エネルギー効率の向上を図り、CO2排出量削減に取り組んでまいります。さらに、カーボンフリー合金鉄の革新的脱炭素製造プロセスの基礎研究に着手し、使用燃料のグリーンエネルギー転換を進めるなど、最新設備・技術を積極的に導入し飛躍的な生産性向上を目指しています。

4.指標と目標

CDPスコア 2024年度気候変動で「B」評価

CDPは、英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)であり、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している団体です。

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