新日本電工

人的資本経営

人的資本経営

基本方針

当社グループでは、労働人口が減少し続ける環境下において、中長期事業戦略を支えるための人材の確保と従業員一人ひとりの価値の伸長をはかることを最重要経営課題の一つととらえています。多様な働き方を可能にする制度を調え、DE&Iを推進することでエンゲージメントを高めると共に、採用活動を活性化していきます。
2030年「あるべき姿」の実現に向け、持続的な成長を通じた企業価値向上の中核となる人的資本経営の基盤強化への取り組みを進めてまいります。

人材戦略

人材戦略の概念図

人材戦略の概念図

当社グループは、中長期事業戦略および事業継続に対応した人材を確保することと、付加価値創造を可能にする人材の育成をターゲットとしています。
そのためにDE&I、人権尊重、多様な働き方、ウェルビーイングといったサステナビリティを重視した労働環境を整備しながら、従業員のエンゲージメント向上を図ります。この戦略を企業文化として定着させることで、中長期事業戦略の達成を目指します。

人材戦略のターゲットと施策

ターゲット 2024年主な施策
人材確保 成長戦略に対応した
増加要員の確保
採用力の向上
  • エリア別総合職制度の制定(多様な働き方の推進)
  • 地域プレゼンス向上(知名度向上に向けた施策の展開)
採用手段の拡充
  • リファラル採用制度の制定(技能職採用)
  • キャリア採用(専門人材の中途採用)
人的付加価値創出 成長戦略を担う資質 育成
  • 経営幹部育成(研修・社長との対話)
  • 2030年「あるべき姿」の実現に向けた全管理職と社長との対話
成長戦略のための
専門能力
教育研修
  • 部門専門教育の拡充(設備系技術者教育など)
  • 業務の効率化・高度化に必要なDX人材の育成
業務変革に
適応するスキル
成長機会の創出
  • ベンチャー連携検討チームへの若手の参画
人的資本
経営基盤強化
ウェルビーイング経営
ダイバーシティ推進
DE&I
  • 多様性、専門性を持った人材の確保
  • 女性管理職比率の引き上げに向けた対応(女性リーダー育成研修)
働き方改革
  • 有給休暇取得率向上(年間計画作成&実績管理)
エンゲージメント
  • エンゲージメント向上施策(社内対話促進)
  • 処遇改善(人材確保・活躍推進)

人材確保

急速に進む労働人口減少の中で、当社グループの成長戦略を実現するために有為な人材を確保することは最重要課題の一つであります。
知名度を上げる施策を通じた採用力の向上と採用手段の拡充、人事制度の見直しなどを進めながら、積極的な採用活動を展開し優秀な人材の確保・定着を図っています。

エリア総合職制度

総合職従業員のそれぞれの志向にあった働き方を促進し、働きやすさを向上させる目的で2024年3月にエリア総合職制度を新たに制定しました。転勤を伴わない働き方を望み、かつこれまでの総合職と同様に広範でより高度な職務を行いたい従業員が、地域を限定して働くことを可能にすることで、将来高い専門性を持った管理職となることを期待しています。

キャリア採用

社会の変化のスピードが速くなり、個々の業務の専門性が高まっています。加えて必要人材の確保に対応するため、積極的にキャリア採用を行い、特に「あるべき姿」の実現に向けた事業拡大を担う即戦力人材の確保については、キャリア採用で対応しています。2023年は各々専門性を持った13名を採用、それぞれのキャリアを活かし、各部門で活躍しています。

キャリア採用人数
2021 2022 2023
3名 8名 13名

人的付加価値創出

当社グループは、人材を競争力の源泉としてとらえ、OJTによる育成を主体として、教育研修、成長機会の提供により付加価値の創出に取り組みます。
2030年「あるべき姿」の実現に向けて社内で共通の認識を持つため、2024年2月~3月にかけて社長と全管理職との対話を実施しました。
管理職は事前に「『あるべき姿』の実現のため会社はどう変わるべきか!自分をどう変えて行くか!」をテーマとして事前レポートを作成した上で社長との対話に臨み、そのために何をすべきかについてグループでそれぞれの意見を交わしました。また、4月には社長と全役員の対話を行い、課題の確認と今後の対応を話し合いました。こうした取り組みと並行し、当社では各職場・各階層において対話を通じた情報の共有とコミュニケーションの活性化を進めています。

階層別研修をはじめとする様々な学び

将来、会社の経営を担う人材を育成するため、階層別研修を各種実施しています。若手従業員は社会人として求められる基礎的素養を育み、中堅従業員は「リーダーシップ」や「マネジメント」といった研修を通して、部下の育成、組織やチームの目標を達成すために必要な能力を学ぶなど、様々な研修を提供することで本人の成長を促しています。
管理職は、新任管理職研修、部長候補者研修を定期的に行い、それぞれの役職に応じた役割や心構えを学んでいます。また、安定した事業ポートフォリオを構築し、サステナビリティ経営を推進するための経営幹部候補者の育成を図っています。このように若手従業員から管理職、経営層まで連動する研修を通じて経営理念を実践できる人材を育成し、企業文化への定着を目指します。

DC&M活動

企業の持続的成長に不可欠な現場力の維持および向上については、製造や設備などに関する技術・技能の習得を促すため教育訓練計画を作成し、教育後に力量の確認を行っています。また、激しくなる市場環境の変化に対応する「継続的改善」を創出する「自律的な強い人材」を育むため、DC&M(Denko Circle & Management)活動を全社展開し、マネジメント層の関与を高め働き方改革にマッチさせながら、成果のあがる活動体制を目指しています。

ベンチャー連携検討チーム

素材・環境分野のベンチャー企業との連携による事業機会探索を目的としたベンチャー連携検討チームを発足しました。このチームには20?30代の従業員を部署横断的に参画させています。2年間の任期中にベンチャー企業ならびにベンチャーキャピタルと連携し事業機会探索を行い、ビジネスを拡大させるためのスキルを実践を通じて学び、若手従業員の成長の場として活用しています。

人的資本経営基盤強化
(ウェルビーイング経営、ダイバーシティ推進)

当社は人的資本経営の基盤強化のため、DE&I、働き方改革、エンゲージメントを通じてウェルビーイング経営、ダイバーシティ推進に取り組み、多様な人材が安心して働くことができる職場づくりに向けて、それぞれが活躍できる制度や環境の整備を行っています。

女性活躍

女性活躍推進については2016年に女性活躍推進委員会を発足、社内制度の充実や研修、社内広報による意識改革などの活動を続けてきました。現在は、多様な意見を経営に反映させるため、女性管理職を2027年に2%とすることを目標に定め、女性リーダー育成研修を実施するなど積極的に取り組んでいます。

柔軟な働き方の実現

デジタル技術を活用することで働く場所にとらわれることなく従業員の能力が発揮できる環境を整備し、従業員が利用しやすいテレワーク制度を採用しています。また、フレックスタイム制度を設けており、時間と場所に制限のない柔軟な働き方が可能となっています。
また、出産・育児、介護、配偶者転勤のために退職した従業員について再入社を認めるキャリアリターン制度を定めています。

柔軟な休み方の実現

ワークライフバランス

従業員が個々の事情やライフステージに応じた休み方ができる制度設計を行っています。有給休暇の取得促進のため、半日単位での取得も可能とすると共に、法定取得義務を超える年間6日の取得を義務化し、皆が休みやすい環境を整えています。また、育児休業制度と介護休業制度は法定を上回るものとなっています。育児休業制度の運用では女性はもちろんのこと、男性の育児休業取得も推進し、男性が育休を取得しやすい職場環境の醸成に努め、取得率も2022年は90%高水準となりました。その他にも、子育てと仕事の両立をサポートする制度として、育児のための短短時間勤務(小学校3年生終了まで)、勤務制限(時間外、深夜など)、ベビーシッター料金の補助などを設けており、子の看護のための特別休暇は有給とし、最大10日を付与しています。
介護休業制度については、要介護状態にある家族を有する従業員を対象に、介護休業の取得期間は1年間、介護休暇(有給)の取得期間は最大10日を設定しています。
これらの取り組みにより、2019年に1回目、2021年に2回目の「くるみん」認定を取得しています。今後も仕事と子育てや介護がより両立しやすくなるよう環境整備を進めています。

有給休暇取得率
2027年 目標 70%以上
2023年 実績 76.0%
男性育児休業取得率
2022年 実績 90.0%

障がい者の活躍

重要な社会的課題であるとの認識のもと、雇用の促進と働きやすい職場環境の整備に努めています。2024年5月に本テーマについての社内セミナーを行い、障がい者雇用への意識を深めました。これからも採用や雇用維持を継続し、障がい者が活躍できる環境づくりを進めていきます。

65歳定年制度

労働力人口の減少や公的年金支給開始年齢の引き上げなどの外部環境への対応と、現場力の維持・強化や60歳以降の雇用と生活の安定の確立を目的に2022年より定年年齢を60歳から65歳に引き上げています。定年延長にあたっては60歳以降についても従来と同じ業務を同様に遂行していくことを前提に、65歳まで一貫した雇用形態のもと、連続性のある給与・賞与制度としています。

健康経営

従業員が、心身共に健康に働き、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう健康診断や健診結果のフォローに取り組んでいます。通常の健康診断に加え、人間ドック費用を補助することで、疾病の予防、早期発見を目指しております。また、女性特有のがんなど疾患の早期治療に繋がる特定の検診に対して全額補助し、積極的な受診と健康促進に努めています。その他、予防接種費用などを補助しています。
メンタルケア対策としてストレスチェックの実施や過重労働による健康被害の防止に努めています。メンタルヘルスはその結果を分析しフィードバックにより対策を行っています。過重労働と判断した際には、速やかに産業医面談を実施する体制を確立しています。その他、ストレス軽減措置として外部に専門家集団からなる相談窓口を設け、必要に応じ従業員が活用しています。

エンゲージメント向上

2023年に当社の全従業員を対象にエンゲージメントサーベイを実施し、会社への貢献意欲・愛着心など組織力について可視化を図りました。2024年にはエンゲージメントサーベイの結果を受け、大規模な拠点である徳島工場および中央電気工業において、30代従業員に対し人事部門から日々の業務への取り組み、仕事を通じたやりがいや働きやすい職場にするために必要なことについてのヒアリングを行いました。この対話を通じて浮かび上がった課題を検証し、今後の人事施策や事業所における改善策に繋げることにより、エンゲージメント向上を目指しています。

処遇改善

近年の人手不足による採用競争の激化や高まる労働市場の流動性などの変化の中で、従業員の処遇を改善することは人材の確保、人的資本への投資、事業成長という好循環を実現する上で重要であると考えています。2024年の春闘では組合要求に対して満額となる全従業員一律で 21,000円のベースアップを実施しました。今後も従業員の成長と事業成長の好循環の実現を図ります。

人権の尊重

当社グループは、経営理念を実現する上で、法令遵守および人権の尊重は企業が果たすべき社会的責務であると同時に、欠くことのできない倫理規範であると認識しています。2022年10月には、国際人権章典や国連「ビジネスと人権に関する指導原則」などの人権に関する規範に基づき新日本電工グループの人権基本方針を定め、人権尊重の取り組みを推進しています。

新日本電工
グループ
人権基本方針

  1. 1.人権の尊重
  2. 2.差別の撤廃
  3. 3.ハラスメント行為の禁止
  4. 4.強制労働および児童労働の禁止
  5. 5.労働安全衛生の確保
  6. 6.救済への取り組み
  7. 7.教育と研修
  8. 8.情報開示

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