社会
株主・投資家
当社は投資判断に重要な情報を適時・適切に開示を行うと共に、各種エンゲージメント活動によって当社グループへの理解促進を図っています。定常的に機関投資家・証券アナリストとの1on1面談(2023年29回)を実施しているほか、2月と8月に実施した決算説明会では代表取締役社長の青木がスピーカーとして登壇し、機関投資家・証券アナリストの皆さまに説明を行いました。2023年からは説明会の模様をアーカイブ動画配信および文字起こし形式で公開し、当日ご参加いただけなかった方や個人投資家の皆さまにもご覧いただけるようになりました。また、ウェブサイトでの情報発信にも注力し、日興アイ・アールが実施している「2023年度 全上場企業ホームページ充実度ランキング」で業種別部門(鉄鋼)優秀サイトにも選ばれました。
2023年11月に発表した中長期経営計画において、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、株主資本コストを上回る10%以上をROEの目標とし、その継続により企業価値の向上を図ることを公表しています。
従業員
当社は人材を競争力の源泉としてとらえ、人的資本経営の取り組みを進めています。従業員のエンゲージメント向上施策として、2023年は全従業員を対象にエンゲージメントサーベイを実施し、その結果を受けて徳島工場および中央電気工業の従業員に対してヒアリングを行いました。また、処遇改善にも取り組み、2024年春闘では満額回答となる全従業員一律のベースアップを実施しました。
また、安心・安全な職場づくりにも注力しています。工場では危険感受性の維持向上を目的としたVR(仮想現実)危険体感装置を導入し、従業員の安全確保のための取り組みを進めています。心身の健康については、健康診断、人間ドック費用、予防接種費用の補助を実施すると共に、メンタルケア対策として産業医との面談や、外部の専門家集団で構成する相談窓口を設けています。
成長戦略の実現に向けて従業員のキャリア形成についても取り組み、階層別研修やDC&M活動(p.42参照)、ベンチャー連携検討チームなど、成長機会の提供に取り組んでいます。
取引先
当社グループは、「パートナーシップ構築宣言」によるサプライチェーン全体の連携・共存共栄を進め、経営理念に基づき公平かつ公正な取引を実施します。また、調達基本方針に基づき、取引先と共にコンプライアンス・環境負荷低減・人権尊重・労働基準などの社会的責任にも配慮した調達活動を実践し、取引先と共に気候変動などの環境課題や人権尊重などの社会的課題の解決に向けた取り組みを推進してまいります。
1 | コンプライアンスの徹底 | コンプライアンス徹底のための仕組みを設け、法令及び社会規範の遵守に取り組みます。 |
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2 | 調達活動における 環境負荷低減(地球環境)への配慮 |
調達活動を通して地球環境に与える負荷低減に取り組みます。 |
3 | 人権の尊重、労働環境への配慮 | 当社グループの「人権基本方針」に則り、サプライチェーン内の人々の人権を尊重します。 |
4 | 公平且つ公正な取引による競争機会の提供 | 独占禁止法などの公正取引に関する法令を遵守し、健全な商慣習、社会規範に従った調達活動を実施します。優越的地位を利用した不公正な取引は行いません。 |
5 | 製品・サービスの安全と競争力の確保 | 製品・サービスについては安全を第一に確保し、品質・価格・納期においても競争力向上に努めます。 |
6 | 責任ある鉱物調達への対応 | 紛争や人権侵害などが行われている地域で採掘された鉱物を使用しないサプライチェーン作りを推進します。 |
7 | 信頼関係の構築 | 上述の活動を通して取引先と信頼関係を構築し、共存共栄を図ります。 |
地域社会
徳島工場の地元の小学生を招いての外航船見学
地元小学生を対象とした外航船見学
徳島工場では、近隣の小学生を対象に、鉱山からマンガン鉱石を運んでくる外航船の見学会を毎年実施しています。見学会では、外航船の見学に加え外国人の船員の方々との交流会や当社グループで扱う鉱石および合金鉄製品の標本づくりなどを行っています。
「でんこう連」として阿波おどりに参加
地域イベントへの参加
地域の皆さまとのコミュニケーションを大切にするとの思いから、地域の催し物に積極的に参加をしています。徳島県で毎年8月に開催される阿波おどりには、「でんこう連」として30年以上にわたり参加しています。茨城県で10月に開催される鹿嶋まつりにもブースを出展して参加しています。
令和6年能登半島地震に対する支援
被災された皆さまへの支援および被災地の復興にお役立ていただくために、日本赤十字社を通じて金1,000万円を被災地全域および当社工場立地先(富山県・新潟県)に寄付を行いました。
図書贈呈式
鹿嶋市・神栖市の小学校へ図書の贈呈
Gakkenから出版されている「なぜ?から調べる ごみと環境 第3巻『清掃工場』」で焼却灰資源化事業を取り上げていただいたことをきっかけに、当事業の拠点となる鹿島工場のある鹿嶋市・神栖市へ図書を贈呈しました。図書は市内の小学校および公共図書館に寄贈されました。
鹿島アントラーズエンブレム
鹿島アントラーズのクラブパートナー
2023年9月に鹿島アントラーズのクラブパートナーとなりました。当社は鹿島アントラーズの本拠地である鹿嶋市に工場を有しており、アントラーズを通して地域に貢献するべくクラブパートナーとなることを決めました。12月にはホーム最終節に合わせて県立カシマサッカースタジアムでのブース出展も行いました。今後も地域の方と積極的にコミュニケーションをとり、地域への貢献に取り組みます。
安全・防災・品質への取り組み
安全衛生
当社グループは、安全衛生基本方針の下、労働安全衛生マネジメントシステムのレベルアップと共に、従業員の安全と健康を確保すべく活動を行っています。
基本方針
- すべての業務遂行は、その前提として安全と健康を第一に確保し、人命尊重を旨とする
- 安全衛生管理活動の根本は予防活動にあり、労働災害の未然防止に努める
安全・安心な職場づくり
電源盤感電事故の体感教育
当社グループは、労働災害防止にはリスクの先取りとその低減が重要であると考えており、「確実なKY(危険予知)の実施」「リスク抽出と改善の推進」を安全活動の重点施策と位置づけています。
2023年には従来の安全教育に加えて、工場で勤務する従業員の危険感受性の維持向上を目的としたVR(仮想現実)危険体感装置を導入し、より臨場感のある体感教育が実施できるようになりました。今後も新しい教育内容の導入を図り、従業員の安全確保に向けた取り組みを推進していきます。
また、安全内部監査を通じ安全活動のさらなるレベルアップにつなげると共に、他社災害事例を速やかに共有、横展開することにより類似災害の未然防止を図っていきます。
当社グループの2023年安全成績は休業以上災害件数は2件となりましたが、2024年も休業以上災害発生件数ゼロを目標に取り組みを推進していきます。
目標 | |
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休業以上災害発生件数 | 0件 |
第三者機関による認証取得
当社グループは、ISO45001マネジメントシステムの活用により、労働災害をはじめとするリスクを漏れなく排除する仕組みをつくり、従業員が安全・安心に働くことができる労働環境の構築を目指しています。2023年8月に妙高工場、2024年4月に富山工場で認証を新たに取得し、既に認証を取得している徳島工場、鹿島工場と合わせ4拠点で取得しています。引き続き全6事業所での取得に向けて取り組みます。
快適な職場環境づくりと心身の健康増進
当社グループは、新5S教育の推進などにより快適な作業環境を維持すると共に、設備改善対策を着実に実施し、職業性疾病の防止に取り組んでいます。また、産業医とも連携して働き方改革への対応、ストレスチェックの実施、メンタルヘルス対策の推進、生活習慣病・腰痛症・身体機能低下に対しての各種予防啓蒙を行うなど、従業員の健康管理にも取り組んでいます。
防災
当社グループは、防災事故発生件数ゼロを目標に従業員一人ひとりの防災対応力を高めるべく、防災管理体制および発災時対応の確立など全社をあげた防災活動に取り組んでいます
防災リスク低減活動
当社グループは、台風や地震・津波などの自然災害に対するマニュアル整備や各種訓練を実施しています。また、火災、爆発などの工場災害に対しては、事業所ごとのリスクアセスメントによる発災リスクの抽出、抽出されたリスクに対するソフト・ハード対策によるリスク低減と残留リスクの管理、各種訓練(総合防災訓練、火災時の初動訓練など)を実施し、防災リスク低減に取り組んでいます。
目標 | |
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防災事案発生件数 | 0件 |
品質
当社グループは、品質基本方針の下、お客様にご満足いただく製品・サービスを提供すべく、品質の向上に向けた活動を推進しています。
基本方針
- 法令・規則の遵守
- 顧客要求事項を満たした製品およびサービスの一貫した提供
- 品質保証上の不適切な事案発生のリスクの低減
- 品質マネジメントシステムの継続的改善
品質マネジメント
当社グループの品質マネジメントはISO9001をベースに構築し、技術、営業、製造が一体となった品質活動により、お客様の信頼に応える品質の確保とさらなる向上に向けた対応を進めています。各工場の品質保証部門が中心となって品質マネジメントシステムの維持管理を推進すると共に、諸課題に対しては本社部門と連携した対応を進めています。
また、従業員の品質意識向上や品質事案発生の防止に向け、品質コンプライアンスや品質基本ルールなどに関する教育を推進すると共に、品質内部監査や品質パトロールなどを通じ品質リスクの抽出と未然防止に繋げています。
さらに、標準化やシステム化なども着実に行い、製品の出荷に関わる試験・検査の信頼性向上にも取り組んでいます。